野球腰痛→腰椎分離症何故多い、、、どうして起こる?!
こんにちは
今回は野球腰痛=腰椎分離症(ようついぶんりしょう)について簡単にお話させていただきます。
一般的には「腰椎分離症=腰椎疲労骨折」とも言われます。
小学生~高校生までの成長期になりやすい障害です。
2週間以上の腰痛は危険で約50%に腰椎分離症があるとも言われています。
腰椎分離症は場合は、安静固定期間を取らないと骨がつきづらくなり偽関節やすべり症になる恐れがあります。
※偽関節(ぎかんせつ)→腰椎の椎弓が完全に分離して骨が離れたままの状態になってしまうこと。
腰痛、下肢痛、下肢の痺れ、 腰に負担のかかる伸展時(上体を反らすとき)での痛みが強くなります。
偽関節は自然にくっつくことはない為、骨をくっつけるには手術が必要になります。
※腰椎分離すべり症→分離した部分が前後に滑ってしまうことを言います。
椎体と椎体が前後にずれることにより脊柱管が狭くなり脊髄が圧迫され腰、お尻の痛みと下肢の痺れを感じます。
筋力低下や感覚麻痺を伴います。
こちらも腰椎固定術、腰椎除圧式(脊柱管を広げる)手術になる場合があります。
<スポーツ復帰までの目安>
初期→約50日
進行期→約70日を要します。
野球はスポーツの中でも腰椎分離症の発症リスクが一番高いと言われています。
何故?野球に腰椎分離症が多いか・・・
投球動作もスイング動作も”骨盤を固定した状態で上半身を回旋させる動作”が負担が大きい
・打つ(スイング)、投げる時に体幹を強く回転させる動作が多い
・投げる際に伸展(反る)動作が負担をかける(特に投手)
・胸郭(きょうかく)、股関節の柔軟性低下、可動性が悪いと腰に負担がかかりやすい
・腰を安定させるインナーマッスル(深層筋)背筋→多裂筋(たれつきん)、腹筋→腹横筋(ふくおうきん)が弱い、うまく使えていない。
・スイング、投げる際のフォームが悪い
・使い過ぎ(特に育成世代=成長期の投げ過ぎ、スイングの数が多い)
等が考えられます。
<分離症の場所>
下記イラスト:赤丸の椎弓部分が骨折する
片側に多い
分離症は腰椎の5番目が一番多く80%と言われ、次いで4番目になります。
椎弓は斜め後方が細く、弱い構造をしていると言われています。
弱い部分に野球では投球時やスイング時の”伸展・回旋”ストレスにより椎弓にヒビが入ることがあります。
一回の動作で椎弓にヒビが入ることは少なく、多くは何度も繰り返して動作を行うことによる疲労骨折です。
腰椎分離症は椎弓のヒビから始まり進行するとすべり症、偽関節という順をたどります。
早期発見、早期治療が大事になります!
画像検査
XP(レントゲン)→初期は骨折線が写らないことが多い。
進行期、終末期、偽関節の時は分かりやすい。
MRI→急性期の分離症診断にはMRIが有効と言われています。
高輝度変化(白っぽくはっきり見える場合は炎症期=急性、うす暗く見える場合は発生から時間が経過している)と判断できると言われています。
CT→整形外科でもCTはあるとこは限られています。MRIとCT併用すると分かりやすいと言われています。
進行期以降であればレントゲン(X線)で「スコッチテリアサイン」と言い折れている「分離部」がスコッチテリアの首輪のように見えると言われています。
分離症とその他腰痛症の特徴
発育期 腰椎分離症 |
その他の腰痛症 | |
腰椎伸展時痛(反ると腰が痛い) | あり | あり |
腰椎屈曲時痛(腰曲げると痛い) | なし | あり |
腰椎側屈時痛(腰横に倒すと痛い) | あり | なし |
腰痛の痛み感じ | 鋭い痛み | 鈍い痛み |
腰痛の範囲 |
指でピンポイント分かる=局所的 (finger sign) |
広範囲の痛み (palm sign) |
疼痛の部位 | 片側性 | 両側性 |
痛い分離症と痛くない分離症とは・・・
初期→不全骨折で痛い、疲労骨折による疼痛
進行期→完全骨折で痛い、疲労骨折による疼痛
末期→偽関節(ぎかんせつ)で痛くない、滑膜炎による疼痛がある。
※骨折した骨が再生する過程で止まってしまい、本来関節ではない部分が関節ののように動くようになってしまった状態を言います。
癒合不全とも言われます。
原因
腰椎(腰骨)に対して伸展(しんてん)・回旋(かいせん)動作で背骨の椎間関節にストレスがかかることで起きると言われています。
※腰椎は構造的に回旋するようにできていません。右に5°左に5°左右で10°しか回旋しません。
ですので腰椎の上下の関節「上は胸椎(胸郭)→上半身の回転装置」「下は股関節→下半身の回転装置」の可動域=柔軟性が大切になります!
投球時における分離症リスク
特にコッキング後期が最も腰椎の伸展角度が強く負担が大きいです。
ワインドアップ:準備段階、腰椎への負荷は小さい。
前期コッキング:腰椎の過伸展が始まる。
後期コッキング:腰椎の過伸展が生じている。
加速:ボールを投げる瞬間、腰椎の負荷は減少。
減速:動作を止める段階、腰椎の屈曲が生じる。
フォロースルー:動作の終了、腰椎の負荷は最小。
投球時には腰椎伸展角度が必要な動きでありますがこれ以上伸展角度を増やさないことも大事になります!
腰の負荷を減らす為に”しなり”(TER=肩複合最大外旋角度)を高める!!
これは「後期コッキング(最大外旋位:MER)」に強調される重要な動作になります。
TER(肩複合最大外旋角度)145°が必要なんです。
投球動作における外旋(がいせん)運動は肩やひじだけではなく全身を使って “しなり”を作れるかが重要!!
それが下記になります!
肩甲上腕関節→105°
肩甲骨後傾→25°
胸椎→10°
その他→5°
※TERはケガの予防にも球速UPにも相関性があることが分かっています!
腰椎分離症にならない、させない為の戦略
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当院では”動きを鍛える”腰椎分離症予防に1日30分サーキットストレッチを導入しております!
股関節内転筋のストレッチ!
ここの柔軟性を高めると「骨盤の後傾」を予防、解消できます!!
骨盤後傾位は走る、投げる、スイング時に力が発揮できません。
骨盤後傾位ではなく「瞬時に動けるロスなく力を発揮しやすいか姿勢」”パワーポジション”をとれる股関節柔軟性の獲得がカギです!
お尻のインナーマッスル(深層筋)外旋6筋をストレッチ!
外旋6筋が硬いと軸足で真っすぐ立てない、ステップ足に体重がのらない、回旋がきかない為、下半身の力を上半身にうまく伝えられないので肩に負担がかかります。
骨盤と大腿骨の関節位置を安定させてくれる筋肉!
外旋6筋によって大腿骨の位置が良いからこそ安定した投球、安定した力強いスイングができると言っても過言ではありません。
投球時キャッチャー方向に体重移動をさせる並進運動時に力を伝える「中殿筋、小殿筋」をストレッチ!
ここが使えると下半身の最後の力を上半身に伝えられると言っても過言でもない部分!!
※育成世代(小・中・高)はほとんどここの筋肉が使えていない!
ここを使えるようになればケガ予防どころかパフォーマンスアップは確実です!!
瞬発系筋肉→速く!強く!動ける為に「大殿筋、ハムストリング」ストレッチ
このマシンは腰痛スペシャリスト神の手「徳島医大の西良先生の監修のもと作られた凄いマシン」
筋トレをして筋肉を大きくしただけでは✖!いかに大きくした筋肉を働きやすくすることが大事!
胸郭→肩→肘→手首と複数の関節を同時に連動性を高めてストレッチができます!
回旋のストレッチが入るので腱板筋(インナーマッスル)の柔軟性が高められるのと腱板筋が活性化されます!
胸郭の柔軟性アップと肩甲骨後傾ストレッチ!
マルチスローマシンの最大のメリット
胸郭の柔軟性を高めながらの肩甲骨後傾ストレッチができることです!
肩が上がりにくい、引っ掛かり感、つまり感、インピンジメント気味の方にはオススメです!
腕を横から上げる動き「上方回旋」下げる動き「下方回旋」ストレッチ!
投げる際は横の動き外転動作が入ります。ここがスムーズに動かないようでは肩に大きなストレスを与えてしまいます。
肩関節障害でお悩みの方はこの動きに問題が多いです。
当院のサーキットストレッチは8台あり1台のマシンで数種類のストレッチができます!
上記で紹介したのは一部分です。
PS:筋トレは筋肉の厚みを増してパワーを発揮する為に大事です。
柔軟性はケガ予防に大事ですがそれ以上に筋トレで強化したパワーを発揮する為には関節を安定させて動かせる可動域があるか!が一番大事になります。
いくら筋肉の厚みがあっても柔軟性低下、可動域制限があるようではケガの発生率は上がります。
先ずは①柔軟性、可動域を高める→②筋力アップの順が大事になります。
育成世代→小・中・高は成長期で背が伸びる時に柔軟性が低下していくので早い段階で柔軟性は高めたいところです。
筋肉の厚みが増すほど柔軟性を高めるのは時間も要します。
当院では施術前にMMT(筋出力)テストを行ってから施術をしています。
施術前:筋肉が硬い状態→筋出力は弱い
施術後:筋肉が柔らかい状態→筋出力が高まるのが分かります!
筋膜は力を伝達する作用があるので筋膜が硬い状態では力がうまく伝達しません。
詳しくは下記をクリックして参照して下さい!
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<国家資格>
柔道整復師、鍼灸師コンディショニングトレーナー、メディカルトレーナー
身体に優しい施術を心がけています。成長期の学生のケガをしない、させない為のトレーナー活動に従事。
最近のライフワークは「健康寿命をの延ばす施術と運動を追求」です。
地域の魅力ある健康の発信地となれるよう微力な柄に精一杯お手伝いさせていただきます!
<当院実績>
水泳ジュニアオリンピック優勝選手,水泳インターハイ出場選手,水泳国体出場選手,社会人野球選手,野球独立リーグ選手,甲子園出場選手,水泳ジュニアオリンピック選手,高校サッカー選手権出場選手,女子サッカーインターハイ出場選手,女子フットサル東京代表選手,野球U-12日本代表選手など。
スポーツ選手も多く来院いただいております‼︎