スポーツ選手の腰痛に多い仙腸関節障害とは・・・対処法
こんにちは。
今回は腰痛の1つ仙腸(せんちょう)関節障害のお話を簡単にさせていただきます。
仙腸関節とは骨盤にある関節で仙骨と腸骨から構成されている関節を仙腸関節と言います。
※赤丸の部分が仙腸関節。
ぎっくり腰の病巣とも言われる部分です。
ココが痛いぎっくり腰は仙腸関節痛と言います。
今回はスポーツに対しての仙腸関節障害がテーマなので話を戻します。
スポーツ現場での仙腸関節障害は2つあります。
1:転倒して骨盤を強打して1回の外力で痛くなるものです。
2:スポーツ動作の繰り返しによるものです。
野球のピッチャー、フェイシング等で片脚を前や横に広げることを繰り返すことで多い。
野球のピッチャーがキャッチャー方向に脚を広げて股関節が固定された状態で体幹の前屈・後屈、回旋(捻り)を繰り返すことで仙腸関節にストレスがかかり痛める。
サッカー、テニス等の片脚荷重位での切り返し動作や片脚でのジャンプ、着地を繰り返すことで仙腸関節にストレスがかかり痛める。
仙腸関節は強靱な靱帯と関節包で関節がズレないように安定しています。
痛みのでる場所は仙腸関節靱帯部分、靱帯付着部、関節にある滑膜の部分と言われています。
<症状>
片側の腰殿部痛(ようでんぶつう)、そけい部痛、下肢痛が多い。
動作開始時痛、立ち上がり時痛、椅子に座っていると痛い、あお向けで寝ていると痛い。
仙腸関節障害はレントゲン検査では分からないので見えない痛みと言われます。
検査は徒手検査である程度判断ができます。
仙腸関節アライメント(関節位置)チェック
骨盤の左右の上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)の高さを確認。
※右の上後腸骨棘が左よりも上にあれば右の腸骨が前傾している。
腸骨と仙骨の位置関係をチェック!
1:ワンフィンガーテスト
体を伸展させて痛いところに指を当ててもらい仙腸関節の部分であれば仙腸関節痛。
※体を反る時にひざは曲げない!曲げてしまうと痛みがでない。
2:パトリックテスト
股関節を開き(外旋)させて下方に負荷をかけて仙腸関節に痛みがでるか確認するテスト法。
3:ゲンスレンテスト
股関節を伸ばして(伸展)下方に押して腸骨(ちょうこつ)を前傾させ仙腸関節に痛みがでるか確認するテスト法。
4:P4テスト
股関節90°屈曲位にて腸骨を後方に押し込み仙腸関節に痛みがでるか確認するテスト法。
仙腸関節障害を予防するために大事なことは2つ
1:仙腸関節の安定させる筋肉を強化する!
強化する筋肉
腹筋のインナーマッスル(深層筋)腹横筋(ふくおうきん)+大殿筋(だいでんきん)を鍛える!!
ドローインエクササイズ
あお向けで寝てひざを立てる
天井に息を1メートル先にゆっくり吐いてお腹を最大限凹ませる。
10回3セット目安。
ハンドニーエクササイズ
腰痛に王道のエクササイズ!
天然のコルセット筋という腹筋の腹横筋(ふくおうきん)、背筋の多裂筋(たれつきん)両方を同時に強化できる素晴らしいエクササイズ!
この2つはインナーマッスル(深層筋)で姿勢を安定させる(関節を安定させる)筋肉なので日常生活でもスポーツでも重要な筋肉になります!!
四つん這いになります
①右手を真っ直ぐ伸ばし逆の左足を伸ばす
②逆を行う。
左手を伸ばし右足を伸ばす
左右行い1回とカウントして10回1セットから行う。
慣れてきたら10回2セットと増やす。
※腕を上げた方の腹横筋、足を上げた方の多裂筋が鍛えられます。
大殿筋エクササイズ
片脚ショルダーブリッチ
あお向けで行う
お尻が下がらないように体幹・お尻・下肢を一直線で足を上げる
10秒キープを1~3セットを目安。
※大殿筋だけではなく太もも裏(ハムストリングス)、腹筋、背筋も同時に強化できるのでオススメです。
2:股関節の柔軟性を良くする!
太もも裏(ハムストリングス)、太もも前(大腿四頭筋=だいたいしとうきん)
仙腸関節のストレスを予防するためには骨盤の前傾(ぜんけい)・後傾(こうけい)の制限となる筋肉の柔軟性を良くする。
※上の写真:前傾
下の写真:後傾
ちなみに高齢になるにつれて骨盤は後傾位になり椎間板に圧力負荷が高まり、背骨の関節の負荷もかかり変形する。
慢性腰痛になる姿勢です
①骨盤の前傾の可動性にはハムストリングスの柔軟性を上げる。
②骨盤の後傾の可動性には大腿四頭筋(特に大腿直筋)、腸腰筋(ちょうようきん)の柔軟性を上げる。
ハムストリングスストレッチ
硬さチェック
セルフで90度上がればOK
ストレッチやり方
あお向けでタオルを足裏(足底)にひっかける。
軽くひざを曲げた状態で頭の方にテンポ良く引く。
※ひざを伸ばしきって行うと痛いので軽く曲げて行うのがポイント!
1回20秒~30秒目安。
筋体温が温まっている風呂上がりに行うと筋肉の伸張性が良いのでオススメ!
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)ストレッチ
①ひざを床につける、つま先を立てる。
②体を後ろに倒す。太ももが良く伸ばされているところで20秒~30秒キープして伸ばす。
※硬いとひざが床から離れてしまう。
このストレッチ方法は大腿四頭筋の大腿直筋(だいたいちょっきん)が特に伸ばされます。
大腿直筋は大腿四頭筋の中で唯一、股関節とひざ関節を跨(また)いでいる筋肉なのでここを伸ばすのが最も大事なんです!!
仙腸関節障害の治療
<病院>
ブロック注射、痛み止め、貼り薬中心
<当院の治療戦略>
積極的保存療法
1:筋肉専用ローラーで筋膜リリース
従来の押す・揉むでなく、筋肉専用ローラーで一定圧を加え筋膜リリースをします。
揉み返しがなく短時間で筋肉を和らげることができます!
腰の筋緊張、骨盤周囲の筋肉を和らげます。
仙腸関節の負担を軽減させる為には、ハムストリングスの筋膜リリース
2:痛みの除痛にレーザー治療
レーザーは無痛で痛みをともなうことはありません。
1:除痛、鎮痛、消炎作用
2:痛めている組織の修復、回復を早める作用
3:神経の働き(しびれ)をよくする作用
病院では靱帯部分にブロック注射を打ちますが、接骨院では注射ができないためレーザー治療で対応しております。
当院のレーザーは60秒間連続照射ができ痛みの深部に当てることで注射に近い痛みの軽減が期待できます。
3:仙腸関節を安定させる魔法のテーピング
皮膚の伸長率2分の1に作られている凄いテープ!
患部、関節に抜群のレオロジー効果を発揮!!
痛みの抑制、腫れ、熱感部位に貼ると放熱作用があり不思議と良くなるから魔法のテープなんです!
レオロジーとは・・・
均一に圧力をかけることで、骨格や筋肉のバランスを本来の形に戻す効果がある
1日25分サーキットストレッチ
1日25分サーキットストレッチのメニューにあるネバータイトハムマシン、マルチヒップマシンがハムストリングス、大殿筋、大腿四頭筋のストレッチにとても有効な手段の1つです。
ハムストリングスのストレッチ
数十回動かすだけでビックリするくらいハムストリングスが柔らかくなります。
やる前に床に手がつかなったのがストレッチ後には付く方が多いんです!!
殿筋ストレッチ
マルチヒップマシン
このマシン1台で数種類のストレッチが行えます!
大腿四頭筋・腸腰筋ストレッチ
日頃動かさない筋肉をストレッチできるので帰りはとにかく足が軽くなりますよ!
腸腰筋をストレッチすると腰が丸くなるのが予防、改善にも良いんです!!