肩の痛み、上方関節唇損傷(スラップ損傷)とは・・・
肩の痛み、上方関節唇(かんせつしん)損傷(別名:スラップ損傷)について簡単に分かりやすくお話させていただきます。
上方関節唇損傷とは・・・
外傷で転倒などで起こる場合もあるが、スポーツ動作により起こるものが多いです。
特にオーバーヘッドスポーツ(頭より腕を上げるスポーツ)、野球に多いと言われています。
症状は、日常生活動作にはほとんど痛みはなく、肩関節運動時に痛みがあります。
特定の肩関節肢位で痛みを感じることが多いのも特徴です。
※オレンジ色の部分が関節唇
上腕二頭筋長頭腱にゴムパッキンのようについているのが関節唇
①上方関節唇 ②前方関節唇 ③後方関節唇 ④下方関節唇
関節唇を痛める3つのパターン
①上腕二頭筋長頭腱(じょうわんにとうきんちょうとうけん)が引っ張る(牽引)することで上方関節唇が関節から剥がされる(剥離)ことで起こる。
関節唇の後上方を損傷する。
※当院では肩関節伸展可動域と筋の滑走性をチェックして上腕二頭筋長頭腱リリースを行っております!
肩関節前面の張りが取れて関節唇へのストレスも軽減、可動域が良くなり力が入りやすくなります。
②インターナルインピンジメント
※インターナルインピンジメントとは・・・
肩関節の中で関節唇と上腕骨の大結節付近と腱板が衝突(挟まれる)ことで起きると言われています。
前上方の関節唇が損傷する。
※当院では肩峰下スペースが確保できているかをチェックし狭い場合は肩峰下スペース拡張術を行い、つまり感を取り除き、肩峰下スペースを確保し関節唇に対してのストレスを回避します。
※下記の写真、矢印の骨と骨の間の部分が肩峰下スペース。
肩峰下スペースにある組織
・棘上筋
・棘下筋
・肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)
・肩甲上神経があります。
ココが押しつぶされて上記の組織に障害が起こります。
③ピールバック現象
※上腕二頭筋長頭腱は関節唇(ゴムパッキン)のようなものにひっついています。
上腕二頭筋長頭腱が引っ張られたり、ねじられることでゴムパッキン様の関節唇が剥がれたりすること。
ボールを投げる時に肩が外転、外旋運動時に上腕二頭筋長頭腱が後方に捻れた際に関節唇も引っ張られて痛める。
上方の関節唇が損傷すると言われています。
<引用:体幹モーターコントロール>
関節唇は車の車輪止めの役割!ゴムパッキンのような感じ!
良い位置で肩関節の骨頭がクルクル回るように守ってくれる役割をしてくれてます。
ーーーー当院が行う関節唇損傷保存治療戦略3つ!ーーーー
現在、病院(整形外科)では関節唇損傷に対して損傷度合いにもよりますが手術を行うケースは2%~5%と言われています。
ほとんどが保存療法が行われています。<目安期間は3ヶ月~6ヶ月>
ここを押さえて上で早期に肩の機能回復をさせる施術を行っております!
①上腕骨上方化を戻す!
写真:矢印の方に骨頭が位置することを上腕骨上方化
・上腕骨の上方化を戻す為には、インナーマッスル(腱板筋)と上腕二頭筋を働きやすくすることに尽きます!
インナーマッスルは肩関節に安定性を与え脱臼を防ぐだけではなく、上腕骨を下方に下げる役割があるからです。
上腕骨頭を下方に下げてくれる筋肉⇒肩甲下筋(けんこうかきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)
ちなみに棘上筋(きょくじょうきん)は上腕骨の位置がズレないように関節窩にしっかりと引きつけ固定してくれます。
②筋肉専用ローラーで硬くなっているアウターマッスル(表層筋)を和らげてインナーマッスルを働きやすくします!
※アウターマッスル(表層筋)が硬いとインナーマッスル(深層筋)は働きにくくなります。
究極の棘下筋・小円筋リリース!
※上腕骨頭を下に引き下げてくれる広背筋・大円筋なども筋膜リリース!
・上腕二頭筋長頭腱はディプレッサーの役割で骨頭が上方化しないように抑えつけている。
骨頭が上方化すると上腕二頭筋を通じて引っ張られるように上方の関節唇が剥離していきます。
上腕二頭筋長頭腱は上腕靱帯に覆われています。
ここにストレスを受け腱が肥大化すると滑走障害を生じて関節唇を痛めてしまいます。
イラストは上腕二頭筋。細くなっている部分が上腕二頭筋長頭腱です。
黒丸の部分に上腕靱帯があります。
肥大化させない!滑走性を良くする!
上腕二頭筋長頭腱リリース!
より細かくピンポイントで上腕二頭筋長頭腱リリース
最後は”手”で特別なハイパーグローブ上腕二頭筋長頭腱リリース!
②肩関節内旋可動域を良くする!※肩の検査は数種類行っております。
3rd内旋⇒矢印の方向に動かす(可動性をチェック)
3rd内旋⇒内旋させた時に肩につまり感、痛みがあるか。
③胸椎後弯、肩甲骨前傾位、下方回旋を解消させる!
胸椎が後弯(こうわん)=猫背になると肩峰下のスペースを狭くさせる。
猫背はインピンジメントの最大のリスクです!!
赤線の肩峰と上腕骨頭の間の部分が肩峰下スペース
上記のような猫背の姿勢だと肩甲骨の位置も悪く肩関節の求心位が悪くなるので肩を痛めやすくなります。
※肩の求心位とは・・・簡単に言うと肩が良い位置にはまっている位置のこと。
自宅でできるセルフエクササイズもアドバイス!
ポイントは上腕骨頭を下げてくれる筋肉を働きやすくする
・肩内旋運動、肩甲下筋エクササイズ
やり方
①あお向けで寝る。
②肘をベットに付ける。
③お腹に柔らかいボールを置き3秒~5秒押しつぶす。
※押す際に肘が浮かないように気をつけて行う。
<10回1セット~3セット目安で行う。>
・肩外旋運動、棘下筋、小円筋エクササイズ
棘下筋エクササイズ
やり方
①肘の下にタオルを引き、肘が浮かないようにする。肘は90度にする。
②お臍あたりから肘を90度を保ち上げる。
※肘を脇から離れないように気をつける。
1セット50回<目安に行う>
小円筋エクササイズ
やり方
①肩の高さで肘を90度にする。
下の手で腕を支える。
②手を下げている腕を90度のまま肩の高さくらいまで上げる。
※肘は90度をキープさせ行う。
<1セット50回目安>
関節唇損傷でお困りの方は、是非一度お越し下さい。
親切、丁寧に説明させていただき施術させていただきます。
<国家資格>
柔道整復師、鍼灸師
コンディショニングトレーナー、メディカルトレーナー
身体に優しい施術を心がけています。
成長期の学生にケガをしない、させない為のトレーナー活動に従事。
最近のライフワークは「健康寿命を延ばす施術と運動を追求」です。
地域の魅力ある健康の発信地となれるよう微力な柄に精一杯お手伝いさせていただきます!